日本語教師養成課程 在学生からのメッセージ

日本語教育学研究科 DIPLOMA課程/DIPLO-MA課程/MA課程在学生

[MA 課程] 引間 憲子

勉強する楽しさを感じています

MA課程に入学して、1学期が終わろうとしています。今は、第二言語習得の論文を書いているところです。

クラッシェンについての論文を書くのに、専門的な論文を取り寄せたり、インターネットで検索したり、ひたすら本を読み続け、論文を書くにいたっています。Diploma課程を受講していた時は、クラッシェンなど遠い人、インプット・ハイポセシスなど私には関係ないと思っていましたが、今は本などに「K」の文字を見るとクラッシェンのことを考えてしまいます。

そんな中に、自分で勉強する楽しさを感じています。

[MA 課程] 大野 耕平

未来はわくわくする

日本語教師を目指す上で、このMA課程に入学したのであるが、ここで収穫したものは当初の予想以上であった。日本語という枠を越え、SLA(Second Language Acquisition)に関する知識と教養を学び、更にそれへの興味を広げられたことは、自分の世界観が広まったようである。

MA課程では、ドイツ語、フランス語、英語などを教える各国の教師と席を並べる。そこで自分は、いち「日本語教師」から、一歩進んだ「第二言語教師」へと変わる。これからの日本語教師として、自分は世界に広く通用するよう、もっと質高くなければならないとモチベーションも上がる。この西欧言語にかたよったSLA界に、日本語教師のセンスは多大な影響を与えられるであろう。

今学ぶ言語教育の知識が、日本語教育、そして更にSpecificな日本語の文法、表記、発音、語彙の指導へと、今後の自分の人生で応用され発展していく。未来はわくわくする。

[DIPLO-MA 課程] 長沼 由希子

自分の能力の限界に挑戦

9月に、Diplo-MA課程に入学しました。先週、第1タームが終わりましたが、これまでの人生の中でも類を見ないくらいの中身の濃い3ヵ月でした。

携帯電話を買い、ホームステイ、ハウスシェア、ロッジングと、短い間に2回も引越しをし、スーパーで食材を仕入れ、文房具の高さに驚き、わがチャールトンのホームゲームでボルトン戦(もちろん中田をひそかに応援)を観戦し、アフタースクールクラブで現地の子供たちと遊び、2回も風邪をひきました。

第1タームは言語学や日本語文法など、日本語教師になるための基礎学習が中心でした。それに加え、2年目(後期)のMA課程進級のためのIELTS対策の授業や、MA課程での研究のための第二言語習得に関する文献講読などがありました。どれもこれも私には初めてのことばかりで、当初は苦労しましたが、やっと最近、断片的な知識が自分の中で繋がってきて、面白さが少しわかってきたような気がします。

第2タームからは、教授法などの実践的な勉強が始まります。論文を3本書くことになっています。第3タームには教育実習が待ち受けています。そんなことが本当にできるのか自信がありませんが、「教えるのって本当に楽しいよ」という先生方の言葉を信じて、自分の能力の限界に挑戦していきたいと思っています。

[DIPLOMA 課程] 谷口 範子

机上の理論でない生きた体験的学習

早期退職をして、イギリスで暮らしてみたい、英語を勉強してみたい、というのが長年の夢でした。不思議な巡り合わせというのでしょうか。説明会の案内を目にして参加し、図師先生にもお話を伺ってほぼ気持ちを固めました。最初は、1年も留学できないと、3ヶ月半のサティフィケートのコースに決めていたのですが、願書を出した後で悩み、1年のディプロマコースに変更しました。夫が「3ヶ月はすぐに過ぎてしまうよ。」と後押ししてくれたこともあります。今は正解だったと思っています。

入学前は、ハードな学生生活に耐えられるかと心配しましたが、今は午前中に英語のクラス、午後から授業と、ぎっしり詰まったスケジュールをこなし、その合い間を縫っては、観光、コンサート、美術館へと出かけイギリスの豊かな文化を満喫しています。

IIELの特色は、独自の理念に基づいた学校運営、熱心な先生方、充実した教育実習と色々あると思いますが、何といっても一番は「コミュニケーション原論」の授業ではないでしょうか。個別演習として、それぞれが地域の機関やサークルでボランティアとして一緒に活動し、人々との出会いや活動を通して「コミュニケーションとは何か」を探っていくという、机上の理論でない生きた体験的学習です。

「教師の仕事は人を幸せにすることです。」との言葉は正に「目から鱗」、新しく気づくこと、知ることの多い日々です。

今「自分が学生であることの喜び(時に苦しみ)」を味わいながら「言葉」について考え、その本質を学びいつか確かな使い手になれたらと願って学習しています。

[DIPLOMA 課程] 杉澤 寛治

新しい世界に導いてくれるパスポート

市内にはまだ桜が見られた4月半ばにこちらに来て早や6ヶ月、今は街路のプラタナスが色づき、カエデがしきりに葉を落としています。定年を迎えてからの学生生活、身体はともかく、頭の方が付いて行けるかと心配していたものの、今のところ何とか付いて行けているかなと思っているところです。

日本を発つ前、一番訊かれたのが、なぜ英国で日本語の勉強を?という疑問でした。英語もいっしょに勉強できるから等とややはぐらかしつつ答えていたのでしたが、今、言えるのは「外国語としての日本語を見つめる、そして自分自身を見つめる場所として、自分にはこの英国がある」ということです。

外国で生活することは「旅」とは違うものの、自分を改めて見つめる時間を多く持つということだと思います。そうした中で、ここ英国国際教育研究所での学びは、自分の中の「自然」であった日本語を外国語として対象化し、見つめ直すことを自ずと促すものになっています。その結果、私には、あらためて自分の中の「日本」や「日本人」を見つめ直すこと、引いては新しい自分を発見することに繋がっていることを実感する日々なのです。

「日本語学」では、何の疑問もなく使っている言語表現を2者、あるいは3者で比較・対照して、その違いを考察し、微妙な表現の違いに現れる日本人の豊かな感性、独自の語法を知らされました。また「日英対照研究」では、日本語と英語の表現を比較しながら、日英の「認知の違い」に気付かされました。改めて自分の中の日本人、あるいは日本人としての自分を再発見する喜び(素朴にも「そうか、そうだったんだ、私って!」のように)を味わったのでした。

せっかく学生として学びに集中できる時間と環境を貰ったのですから、自らの脳の未開発部分の存在を信じて、その開拓にいそしんでいきたいと思っています。

無事に卒業して頂くディプロマが、また自分を新しい世界に導いてくれるパスポートのように思えて、未知の地での「教壇」を楽しみにしている自分がいます。どうやら英国の学生生活で一番いいところは、都合よく自分の年齢を忘れてしまうことができる点にあるようです。

[DIPLOMA 課程] 坂下 孝憲

新たな人生を切り開く

私が研究所へ入学した動機は、一言で言うと「人生の総合化」ということです。すなわち、今まで生きてきた人生の中で学んだこと、仕事を含めた様々な経験、人との関わりなどすべてを総合的に振り返り、科学的に見つめ直すことによって生み出したことを次への一歩にして、新たな人生を切り開こうと考えています。

もちろん研究所は日本語教師のための学習が中心になりますが、私にとっては「日本語」という言語を切り口として、日本人の考え方、世界の中での日本人の在り方を追求できることが大きな魅力となっています。また、コミュニケーション原論の授業ではイギリスの地域社会に入って活動することが義務づけられていますが、イギリス人の考え方を知り自分自身を見つめ直す絶好の機会となっています。厳しい試験もありますが、「考える」ことは自分の脳の進化につながるということを信じ、日々先生方に励まされながら授業や研究に取り組んでいます。

日常生活では、ホームステイ生活を楽しむとともに、休日にはグリニッジ周辺の広い芝生の公園の散策をしたり、コンサートやミュージカルを鑑賞したりしながらバランスのとれた生活を心がけています。

日本では、現役教師が勤務から離れて大学へ入学できる制度が取り入れられていると聞いています。1年間日本から離れて自分を見つめ直すことは、人生の後半を生きるための大きな充電となるはずです。また、日本語教師としての資格を取得することは生き方の選択肢を増やすことにもつながると思います。入学のハードルは高くありませんから、「学ぶ意欲のある人」「考えることの好きな人」はぜひトライしてみることをお勧めします。

[DIPLOMA 課程] 関野 巧

我以外皆我師

人間の想像力なんてたかが知れているものです。1年前の私には今の自分のこの生活の事など思いつきもしなかったでしょう。ロンドンに渡り日本語教師を目指して勉強中だなんて。

英語が全く分からないのに大丈夫なのだろうかという不安がありました。勿論、私は困りませんが周囲の人が困るのではないかと思いました。

中からではなく外から見なければ分からないことというのが本当に沢山あるのだな、ということをここに来て感じました。特に自分が日本人であるということは当たり前の事過ぎてそれが何を意味するのかなんて考えたこともありませんでした。でも今はその事を考えない日は殆どありません。ロンドンには多くの国の人が共に生活をしています。そういう人達にとって自分は一番近い日本であるのです。絶対に人として恥ずかしい事はできません。それは私自身だけでなく日本人は、と見られてしまうのですから。

IIELで私は学外での活動を通して多くの人と出会う機会を持たせて頂いています。子供たちと創作活動をしたり目の不自由な方への新聞(テープ)作りのお手伝いをさせてもらったり。その中で特にホスピスへ訪問する機会というのはこの学校へ来なければ生涯ありえなかったでしょう。そこで何を学び、何を得て行くのか、今自分のしていることに何の意味があるのか、まだまだ答えは見出せていません。迷いや不安、後悔の連続です。ですがそんな思いを味わわなければ知り得なかったことがこれまでにも沢山ありました。

楽しいことばかりではありませんがいずれも部屋で本を読んでいるだけでは決して味わうことは出来なかったでしょう。私にとって出会う人全てが私の先生です。沢山のことを色々な形で教えてくれます。ここでの出会いは私にとって掛け替えの無い財産なのです。全ての出会いがそうなのでしょうけれどIIELに来るまではそんなことに気付きもしませんでした。

出会いがあるからには当然別れもあります。だからこそ今という時間をこの上なく貴重に思えるのです。貴方に出会えて良かったと思われる様なそんな日本語教師を目指して日々励んでいます。

[DIPLOMA 課程] 小林 恵子

かけがえのない財産

第3タームに入り、教育実習が始まってからは、あっという間の3ヶ月でした。第1ターム、第2タームで学んだ知識のアウトプットのステージに入ったのです。

今まで教授歴のなかった私が教師として教壇に立つ日がやってきたのです。初めて日本語学習者の授業を受け持った日のことは今でも良く覚えています。

日本語を学びたいと熱心に耳を傾け、メモを取る学習者の前で、自分の力の無さを嫌でも感じ取った瞬間でした。

以前、研究所のある先生から「十の知識を持っていて一を教えるのと、一の知識を持っていて一を教えるのとは全く違う」ということをお話ししていただいたことを思い出した瞬間でもありました。

研究所で学んだことを駆使し、さらに自分で工夫を重ねても、うまくいかない日々の連続でした。一緒に学んでいる仲間と励ましあいながら試行錯誤を繰り返し最後の実習を終えた今、自分がどれだけ成長したのかは良く分かりませんが、この体験を通して考え、学んだことは、これから日本語教師として進んでいく自分の人生にとって、かけがえのない財産になることと思います。

これからも努力することを怠らず、向上心を持って、学習者の為により良い授業を作っていけるよう頑張っていきたいと思っています。

[DIPLOMA 課程] 高田 真澄

人と人が言葉を通じてどう繋がり、理解し合えるかを考える

以前から語学に興味があり、英語以外にもスペイン語やインドネシア語なども勉強してみた。言葉を学ぶと、その国の歴史、文化にも興味が及ぶ。ところが日本語についてはどうだろう。案外何も知らないのではないか。ちょっと勉強してみようか。そんな思いつきのようなきっかけでロンドンに来て、もう卒業という時期になってしまった。

3学期の教育実習は非常に貴重な体験となった。思うように教案が書けずに悶々とする時もあったが、日本語を学ぼうと教室にやってくる学習者の方たちの「こんにちは!」、「さようなら!」と言う言葉と明るい笑顔が大きな励みになり、実習を終えることが出来た。また、学外教育実習では子どもたちの好奇心や無邪気な反応がとても新鮮で、とても楽しい気持ちで教えることが出来た。そして、学習者の期待に応える為にはもっと勉強が必要だという気持ちが毎日を動かしていったのだと思う。

1学期、2学期に勉強した日本語文法、項目分析、教授法、コミュニケーション原論等々、どれも難しい科目であったが全てが実習に繋がったものである。言語を教えるという事は語彙や文法を教えるだけでは学習者の理解も浅い。あらゆる角度から学習者の気持ちや理解を測り、心を持って教える気持ちがなければ学習者に何も伝わらないことを教わり体験した。これはとても奥の深い仕事である。IIELでの授業は言語の知識や教授技能だけではない。人と人が言葉を通じてどう繋がり、理解し合えるかを考える機会を与えてくれた一年だった。

[DIPLOMA 課程] 波間 隆利

「日本語とは」と再考する瞬間、気づきによる無意識の意識化を実体験

胸躍らせてロンドンに到着してからはや2ヶ月。渡英前はまだかまだかと気疲れしていましたが、いざこちらで生活しはじめると、まるで日々の経過スピードの速さに遅れないように全速力で駆け抜けているかのようです。充実とはこういうことなのでしょうね。

私たちD35期生は学生数が多いため2クラスに分かれて授業が行われており、授業時間も午前・午後と異なるため、相互に頻繁に行き来することはありませんが、ホームステイからフラットシェア・ハウスシェアに移行する学生が増えてきていることなどから、生活全般としては皆だいぶ慣れてきているように思います。

生活面では、まず気候の違いが大きなトピックと言えるでしょう。ここ最近は天候も良く、それほどではありませんが、シャワーと呼ばれる通り雨には悩まされます。はじめは、一日のうちで何度も晴れたり雨が降ったり…と天気がたびたび変わるというのは正直気持ちの良いものではありませんでしたが、いまとなっては心地よい(!?)くらいです。ロンドンというと霧のイメージが付き纏いがちですが、いまの時節はむしろ燦々と降り注ぐ陽光を存分に楽しめます。食事に関してもマーケットや大手スーパーなどでは食材が豊富ですし、非加工の生鮮食品は安く買えるので自炊するにはとても便利です。イギリスの食事は…という話は、実際に現地暮らしをしなければ分かりませんね。

これまでの授業では、言語学・コミュニケーション原論・日本語学・教科書指導項目整理・英語による日本文化紹介のプレゼンテーション等について学び、実践してきました。言語学では第2言語習得という観点から日本語教育を捉え、教室内活動への展望として再構築し、コミュニケーション原論では地元の小学校訪問を通して教室内(児童)及び地域コミュニティとの繋がりという実体験から、日本語教師の在り方を自問しました。

日本語学は、文法・音声・表記など無意識化している既成概念を柔軟に組み立て直していくという点で、思考や作業そのものが新鮮です。教壇に立つ前提としてしっかり体系付けられていなければならないため、ふとした疑問に自分の知見をすぐにぶつけないよう心掛けています。これに対して、実際に教室内活動を展開する場合の指導方法・順序及び関連項目の把握について学ぶのが教科書指導項目整理です。同様に英語によるプレゼンテーションでは、大勢の前で分かりやすく話す・注意を喚起する・時間の調整など教授現場に直結したクラス運営方法の基礎を学びました。

これらの授業を総じて、とりわけ学生の年齢層が幅広く、社会的経験や知見が多種多様であることも相まって、ひとつのトピックをより多角的に捉えることができるようになりますし、毎日毎時間翻って「日本語とは」と再考する瞬間があり、気づきによる無意識の意識化を実体験しています。

この機会に観光三昧というのも乙ですね。街中を隈なく走るダブルデッカーは至極便利で安く、街並みを鑑賞できるという三拍子揃った素晴らしい乗り物です。ロンドンの観光名所巡りも然ることながら、休日を利用して郊外の都市・村落・庭園や国外へ旅行する学生も少なくありません。

人種のるつぼでは、様々な可能性に満ちた瞬間は嫌でもやって来ます。それらをどのように受けとめ、自らの力に還元し、生かすことができるかは自分次第です。少しでも多くの方がこの体験を共有できることを願ってやみません。

[MA 課程] 石井 美加

言語習得/言語教育の側面を専門的に深く掘り下げ最も望ましい日本語教育を追求

昨年の9月、人生の大きな転機となる入学式をCharlton Houseで迎え、そして何故かまたその一年後に同じように入学式を迎えている自分を、少し不思議な感じで受け止めていました。

MA in Language Learning and Japanese Language Teaching ―― 私が現在取っているMA課程の名称です。まさかロンドンで日本語教育に関するMAができるとは思っていなかったので、このMA課程のことを知った瞬間から絶対に取ることを心に決めていました。

「日本語を教えるということはどういうことか」という大きな土台を習ったDiploma課程とはまた一味違い、言語習得/言語教育の様々な側面を専門的に深く掘り下げることで、最も望ましい日本語教育を追求していくこのコース。勉強を進めるほどに実践での可能性の広がりを感じ、またそれを実際の授業に取り入れることで確かな手応えを感じています。

この課程ではUniversity of GreenwichのMA in Management of Language Learning との合同講義もあり、フランス、スペイン、ドイツ、ポーランド、ギリシャの学友たちと意見を交換する機会に恵まれました。全員インド=ヨーロッパ言語の先生達ではありますが、異なる言語のエキスパート達の話を聞くことができるのは、非常に参考になります。また彼女たちも(そしてグリニッジ大学の教授も!)日本語に対し大変関心を持っており、話し合いを重ねることでまた新しい日本語教育の側面に気づいたりもしています。

現在はTeaching Session が全て終わって、Dissertationのための研究に追われています。決して楽な課程ではありませんが、自分でみつけた疑問を自分の手でデザインした研究で解明していく楽しさは、何ものにも代えられません。そして何より、1年前の自分の授業とは飛躍的に変わった現在のそれに、「ああ、本当にこのコースをとって良かった。」と感じています。

さて、これから9月末の論文提出に向けてラストスパートです・・・

[DIPLOMA 課程] 中野 寛子

人生70才までは現役で何かが出来る!

日本の桜に決して引けをとらない、みごとな八重桜がちょうど咲きそろった4月中旬。人生の折り返し点は遠に通過した私の、これまた人生で何度目かの、しかし外国では初めての入学式がありました。

私は高校時代までは国語や英語が好きでしたが、それ以後は語学とは直接的には無縁の世界で生きてきました。人生70才までは現役で何かが出来るし、またやりたいと考えた時、これまでの自分をふり返ってみました。幼い時から「外国かぶれ」で、外国人と接することや外国に住むことに興味があり、さらに人に何かを教えることが好き、思えば若い頃は語学も好きだったとくれば、もう今後の道としては「日本語教師」をおいて他にはありません。日本語教師になって世界のどこかで働いてみたいと強く思い始めました。この日本語指導の時に、すべて日本語または現地語で用が足せれば理想的ですが、そうではない場合にはやはり英語が最も利用しやすい言語であると思われます。そう考えると、日本語を学習しつつ英語力も向上させ、併せて英語圏での生活も体験してみることが最善の方法に思われました。この条件に叶うのが「英国国際教育研究所」でしたので、この学校に入学を決めました。

現在、半日は日本語教師になるための授業、残る半日は英語の授業(日本語教師のための英語とコミュニケーションのための英語)という毎日です。人生の中で新たなことを学ぶことはいくつになっても楽しい、心踊ることで、学校通いは全く苦になりませんが、悲しい哉、授業内容が瞬時に頭の中からこぼれ落ちて行くのが現実です。皆さんも学んでみようかと思われたら、迷うことなく、1年でも1カ月でも早く入学を決意して下さい。

私が不在中に生ずる多くの困難を覚悟で英国へ送り出してくれた身近な人、物に感謝しつつ勉強する日々です。

[DIPLOMA 課程] 郡 彩子

コミュニケーション原論― 子ども達と交流する貴重な体験

今、私たちD34期は第2タームの後半を半分終えたところです。第1タームでは、日本語の文法や音声、言語学など、日本語教師になるための知識として必要なものを学びましたが、今タームではその学んだ知識をもとに、今度はそれらを実際にどう学習者に教えていくのか、ということを中心に勉強しています。日本語と英語を比較し、違った面から日本語の特徴を見てみるというような興味深い授業もあります。第3タームの教育実習に向けての準備段階にある今タームでは、実習のガイダンスの授業などで先輩方の実習の様子をビデオで見る機会も多くなり、自分にもこれができるようになるのだろうかと不安になる反面、実際に教えるということへの期待も高まってきます。また、第1タームから引き続き、コミュニケーション原論という授業のExperiential studyで、皆それぞれ様々な場所で活動を行なっていて、私は障害児学校に週2回、耳の聞こえない子ども達が集まるDeaf Youth Clubに週1回通っています。そこではスタッフの方々のお手伝いをしながら子ども達と交流するのですが、とても楽しくやりがいがあり、貴重な体験をさせていただいています。

イギリスに来てから5ヶ月が経ち、生活面でもだいぶ慣れてきたので、今では毎日がとても充実しています。日本食レストランでアルバイトも始め、勉強に支障をきたさない程度に頑張っています。イギリスは音楽好きの私にはぴったりの国で、休日にはレコード店を廻ったり、ライブに行ったりして楽しんでいます。また、こちらに来てから、日本ではほとんど行くことのなかった美術館やエキシビションなどにも足を運ぶようになり、いろいろと刺激を受けることもあります。私はホームステイをしているのですが、ホームステイ先の60代の夫婦はすごくいい人達で、困ったときは助けてくれるなど、とても協力的です。実はイギリスに来る前は、1ヶ月だけホームステイをしてその後はフラットに移ろうと思っていたのですが、あまりにも居心地がいいので今に至っています。いつもホストマザーと、「もう今月も終わりだねぇ。」というような会話をしているのですが、こちらに来てから月日が過ぎるのが非常に早く、5ヶ月もあっという間に過ぎたという感じがします。ホストマザーが、「物事が全て順調に進んでいるときは月日が経つのが早く感じるものよ」と言っていましたが、本当にその通りだと思います。残り半年もあっという間に過ぎてしまうと思いますが、後悔することのないようにしっかり頑張りたいです。

[DIPLOMA 課程] 江﨑 正

自分の持っているもの、学んだものを他者へ伝えることの難しさ

第1タームでは、日本語学を中心に勉強し、基礎を固め、それを土台にして、第2タームが始まります。第3タームの教育実習へ向けての準備期間ともいえる第2タームは、教授法(どう相手へ教えるのか)が授業の中心になります。内容として、英語を外国語として教える際の様々なメソッド、アクティビティーにはどのようなものがあるのかを学ぶ外国語教授法、日本語と英語を様々な角度から対照比較をして日本語を見つめ直す日英語対照研究、どのようにカリキュラムを組むのか、授業をどのように展開していくのか、初・中・上級学習者の指導法を学ぶ教授法、日本語文法をどう英語で説明をするのかを学ぶ日本語教師のための英語、日本語の助詞を1つ選び、研究し、グループ発表、論文提出をする助詞研究、第1タームから続いている地元コミュニティーに参加し(私の場合は毎週ホスピスへ行きそこの人達(患者達)と話をしている)、人と人とが結びつくことの意味を考えるコミュニケーション原論などの授業があります。今、私が感じていることは、自分の持っているもの、学んだものを他者へ伝えることの難しさ(いかにうまく伝えることが出来るのか、ということ)です。

現在、学び暮らしているロンドンの最大の魅力は、と聞かれたならば、それは、世界中から人が集まっている多文化、多民族さにあると思います。様々な人を受け入れてきた歴史、異なる文化・習慣を持ちながらも、なんとかその違いを乗り越えて共存していこうとする人達の生活、出会う人から様々な国の文化を知ることが出来る体験。その体験から考えさせること、気づかされることがたくさん出てきます。そして多民族の中から生まれ出てくる新しい文化がここ、ロンドンにはあります。私は、様々な国の人や文化に興味を持っていたので、本当にぴったりの場所にやってきたと思います。

日本語教師の勉強とともに、様々な人との出会いからも、生きていく上で大切なものを学んでいきたいと考えています。

[DIPLOMA 課程] 浅見 美恵子

子どもたちに与えられる、教える喜び

Diploma課程の第3タームは、学内教育実習と学外教育実習とで構成されています。学内教育実習では初級から上級までの大人の学習者を指導します。最終的に全てを一人で担当しますが、実習はまず、小グループに分かれてスタートします。1時間の授業をグループで担当する際は、自分の役割をきちんと果たして引き継がなければならないため責任重大です。実習後、先生からの講評や授業を見学していたクラスメートの意見を聞き、さらに、ビデオに録画された自分の授業を見ます。第三者として客観的に自分の授業を振り返るのはとても大切なことです。クラスメートの授業を見学することも、とても勉強になります。

学外教育実習では、ロンドン市内にある名門パブリック・スクール、City of London School for Girlsで、週1回、好奇心旺盛な子どもたちを指導します。教えたカタカナで自分の名前を書き、日本語で挨拶する子どもたちにいつも教える喜びを与えられています。この3ヶ月で彼女たちが日本語で自己紹介できるようになって欲しいと、毎回楽しみに授業に臨んでいます。

毎日忙しいですが、充実した日々を送っています。一つでも多くのことを学んでIIELを巣だっていけるよう、全力で頑張っています。

[DIPLOMA 課程] 山本 亜希子

学習者の笑顔に会うことの楽しさ。それが元気のもと!

ただ今、待ちに待った教育実習のまっただ中にいます。1、2学期に履修した日本語の理論や教授法が活かされる集大成の時です。しかし、試行錯誤の中で授業を作りながら、なかなかうまくはいかないものだと痛感する毎日でもあります。それでも、毎回、授業に出席してくれる学習者の方々の顔を思い浮かべると、授業のアイディアに行き詰まってしまう時でも何とか乗り越えられるものです。そして、授業の中で、学習者の「分かった」という輝いた表情に出会うと、この次も本当に頑張ろうと思えます。

リージェンツ・カレッジ・キャンパスでは、大人の学習者を対象に、また、Westminster Under Schoolという名門パブリック・スクールでは、子どもを対象に実習をしています。どちらも学習者の意欲と熱心さに励まされています。「うまく行かなかった」と落ち込む日もありますが、何より学習者の笑顔に会うことが楽しみで、それが元気のもとになっています。

[DIPLOMA 課程] 折口 由美

半端ではない忙しさ。でもこんな中で教えられることは本当に幸せ!

第3タームも後半に入りました。私はこれまでに、初級から上級まで5つのレベルすべての授業を担当しました。それぞれのレベルに合った授業を考え、授業を行うのですが、これが口で言うほど簡単なことではありません。一回の授業は60分で2人から3人のグループで担当するのですが、授業に至るまでには毎回かなりの時間を要します。何がポイントか、そしてそれをどう教えるかといった話し合いは終わりがなく、ついエキサイトしてしまうこともあります。しかし、そんな話し合いの中からお互い日本語についてより深く理解し、どうすればわかりやすく教えることかできるのかというアイデアが生まれてきます。そして、実際に教え、先生やクラスメート、学習者の方々からのフィードバックをもらうことで、さらにどのようにしていけばより良い授業としていけるのかが見えてきます。

ここでは、誰もが真剣です。日本語を真剣に学ぼうという学習者の人たち、わかりやすい授業をしようと寝食を忘れて教材を作っているクラスメートたち、そしてそんな私たちを指導し、励ましてくれる先生方--すべての人たちから刺激を受けています。忙しさも半端ではありませんが、こんな中で教えられることは本当に幸せです。

まもなくグループ実習が終わり、いよいよ一人実習が始まります。これまで学んできたことを十分生かせるようがんばりたいと思います。

[DIPLOMA 課程] 三觜 由里子

コミュニケーションとは何か― 素晴らしい出会いの中から学ぶ

「日本語って面白い」。大学に行かず、長い間勉強から遠ざかっていた私。「みんなについていけるだろうか…」。そんな不安は一掃され、日本語のおもしろさ、勉強することの楽しさで、第1タームはあっという間に過ぎていく。

第2ターム。「私は日本人に初めて会ったわ」、目をきらきらさせて抱きついてくる子どもたち。「イギリスに来て幸せかい?」、私を孫のように気遣ってくれるホスピスの患者さんたち。日本語教師として、人として「コミュニケーションとは何か」ということを、素晴らしい出会いの中から学んでいく。

そしていよいよ教育実習。リージェンツ・パークののどかな風景が、緊張を解いてくれる。親身になって指導下さる先生方とクラスメートに支えられ、学習者たちの頭上に浮かぶクエッション・マークと戦う毎日である。

[DIPLOMA 課程] 岡部 文世

クラスメートからの刺激を受けながら、共に教師として成長できるよう奮闘中

瞬く間に3学期に入り、楽しみにしていた教育実習がやって来ました。期待と不安で胸がいっぱいで、毎日緊張しています。実習前は、実際にどのように授業を進めて行くかグループで話し合うのですが、いつも話し合いが白熱し、つい時間を忘れてしまいます。

実習後はすぐにフィードバックを受けられ、良かった点はみんなでシェアし、改善点や各々の課題は何かを知ることができ、次回は全員で確実に一歩前進しようと意欲が更に高まります。

学外教育実習では、Royal Massonic School for Girls(パブリック・スクール)の子どもたちの積極的に学ぼうとする姿勢にいつも感銘を受けています。子どもたちの笑顔が見たい、期待に応えたいという気持ちがプレッシャーに弱い自分を奮い立たせています。

忙しい毎日ですが、とても充実しています。1、2学期で学んだことが、どう3学期で生かせるのかを知りました。同じ貴重な体験をしてきたクラスメートからの刺激を受けながら、共に教師として成長できるよう奮闘中です。



日本語教育学研究科 CERTIFICATE課程在学生

[CERTIFICATE 課程 夏期集中コース] 宮崎 さとみ

常に考え、成長していける教師になりたい

私は昨年約10ヶ月、リヴァプールでボランティアでアシスタントとして日本語を教えていました。アシスタントといっても日本語教師は私だけで、誰かに批評されるわけでもなく、相談する人もなく、「これでいいのだろうか」といつも思いながら教えていました。ですから、学校にもう1年教えてほしいと頼まれたときは、「このままではいけない」と思いこの課程の受講を決めました。

講義は1コマ2時間と長時間でしたが、興味深い内容で、先生方が情熱を持って教えてくださったので、集中して聞くことができました。そして実習では、グループで1つの教案・教材を作りますが、睡眠時間を削っての話し合い、作業は大変ではありましたが、楽しくもありました。また他のグループの授業を見たり、見てもらったりして、意見を交換したことは大変参考になりました。他人の授業を見て気付くこと、見てもらうことで見えてきたことがたくさんありました。そして先生の講評の後、「どうしたら次はもっといい授業ができるか」を考え、話し合いました。実習の中で一番考えたことは、学習者のことです。教案に「学習者の行動、発話」を書く欄があり、学習者の心の動きも想像して書きます。そうすると、「ここで疑問をもつかな?」「ここで気付いてくれるかな?」と学習者一人一人の顔を思い浮かべ、「どうしたらわかってもらえるだろう?」といつも考えるようになりました。

この課程で学んだ一番大切なことは「考えること」です。そこから、知識や技術を身につけることができると思います。4週間で学べることは限られていますが、これからも学習は続きます。その土台をこの課程で学んだと思います。まだまだ未熟ですが、この課程で身につけたことを基礎とし、常に考え、成長していける教師になりたいと思います。ここで学んだことを生かし、教えることをとても楽しみにしています。

そして、この課程で得た一番大切なものは、講義・実習を通し、いろいろなことを話し合い、励ましあった「仲間」です。これからまた一人で教えることになりますが、いつでも相談できる仲間がいることは本当に心強く、大きな財産です。

[CERTIFICATE 課程 土曜コース] 市榮 亮

上手く言葉にならない

気がつけば土曜Certificateコースと平日の英語講座を受講し始めて、もうすぐ3ヶ月が経とうとしています。

正直、この3ヶ月という時間の中で自分が何を考え、何を学び、どう変わったのかを言葉にすることは出来ません。言葉にしようとしても、上手く言葉にならないのです。今、言うことができる確かなことは、上手く言葉にならないくらい毎日が充実していて、上手く言葉にならないくらいのことを上手く言葉にできないくらい素敵な人たちと一緒に学んだり、その人たちから教わったりしているということです。

年が明けたら、教育実習が始まります。私が出会う日本語学習者も日本語で自分の意思を伝えられないもどかしさを感じるのかな?と考えたりもします。もし本当に同じもどかしさを感じるのであれば、そのもどかしさを知っていることはとても意味のあることではないかと思います。

まだ見えぬ先のことを話すことは、おかしいかもしれませんが私はコースを終了する頃には今、上手く言葉に出来ないことを言葉にすることが出来ていると思います。なんの根拠もありませんが、上手く言葉にすることが出来ています。どこからそんな自信が湧いてくるのかは、わかりませんが上手く言葉にすることが出来るのです。

[CERTIFICATE 課程 通信教育コース] 坂元 貴行

コミュニケーションを大切にする教え方

私は中国で日本語を1年間教えてきました。そして、教えていくうちに自分の未熟さに気づき、この講座を受講しました。

中国では教壇に立ちながらレポートを書くのは大変でしたが、レポートの課題をいかにして実際の授業につなげていくか、どうやったらもっといい授業が出来るかとレポートを書きながら考える事ができ、必ずしもマイナスではなかったように思います。

ロンドンでのスクーリングでもIIELの先生方のご指導のもと多くの事を学ぶ事が出来たような気がします。IIELで学んだ教授法は今まで見たり、経験したりしてきたどんな授業よりもコミュニケーションを大切にする教え方でした。

そして、それは日本語教育だけでなく、語学教育の基礎であり、もっとも大切なんじゃないかと感じました。もちろんそれが教授法のすべてという訳ではないでしょうが、僕にとっては本当にいいものに見えましたし、やっている自分もとても楽しかったです。

1年間実際に日本語教師として教壇に立っていて、挫折やつらさを感じたりしたこともありました。でも、IIELでの1週間のスクーリングでまた日本語を教えたいと心から感じることが出来ました。

IIELで学んだ多くの事を忘れずにこれからも日本文化や日本語の面白さを世界中の日本語学習者に伝えていけたらと思っています。

[CERTIFICATE 課程 夏期集中コース] ミラード 由香

すばらしい経験! そして本当の勉強はこれから

誰にでも、人生の中で「すばらしい経験をした!」と思える瞬間があるはずです。今年の夏、私がロンドンで体験したことは、まさにそんな経験の一つになりました。

「夏期集中コース」は、その名のとおり4週間という短い期間に、集中して集中して学習に取り組むコースでした。

その“Super Intensive”ともいえるこのコースで得たものは数多くありますが、中でも「やればできる」という自信と、仲間と協力することによって生まれる力のすばらしさを知ったことは、私の中で本当に貴重なものになっています。

日本語教師を目指す者として知識や技術を身につけること、答えや結果を出すことももちろん大切ですが、それにもまして「何をどのように考え、どれだけ真剣に取り組むか」「ひとりの人間として、どれだけ相手を思いやり、人の立場に立って物事を考えることができるか」というプロセスが、欠かせない要素だということを学びました。

さらに、年齢や職業もさまざまで、それぞれに違うバックグラウンドを持ちながら、一つの目標に向かって共に学んだ仲間、どんな時でもあたたかく厳しく指導して下さった個性豊かな先生方、教育実習の授業に熱心に通ってくれた学習者のみなさん、そして、ロンドンでの生活をより楽しいものにしてくれたホストファミリーの方など、さまざまな人との出会いも、また、かけがえのないものとなりました。

美しく歴史ある場所グリニッジ、チャールトンハウスで、接した方々や過ごした時間によって、私は成長することができたと確信しています。

コースは修了しましたが、本当の勉強はこれから。この、すばらしい経験を基礎に、ますます成長し続ける自分でありたいと思います。

[CERTIFICATE 課程 通信教育コース] 鈴木 陽介

通信課程という孤独な闘いを経て

教育実習を無事修了し、はや3週間がたち、ようやくあの1週間の意味というものを実感することができるようになりました。通信課程という孤独な闘いを経て、ロンドンという場所で経験したことのない体験をしたということは、自分にとってこの上ない経験になったと思います。

コースをはじめる前は、通信課程を修了することができるかどうか不安ではありましたが、やり始めてしまうと、それまで考えたことのなかった日本語学に魅了されました。それまで日本語学についていろはも知らなかった私でしたが、先生方の指導のおかげで体系的に日本語を学ぶことができました。

それを活かす場所が教育実習であったわけですが、あの1週間で行われた教育実習はまさに嵐のようでした。教育実習は2,3人のグループでひとつの授業を作り上げる形式でしたので、チームワークが要求されました。

グループでひとつのテーマを1時間の授業にまとめるという作業は私の予想以上で、本当に寝食を忘れるくらいの日々が続きました。学習者のことを調べ、項目分析をし、教材をつくり、教案を作成する。

これらの作業を無我夢中で行った日々は確かにきつかったですが、そのように本気で物事にむかっていった時間を過ごせたことは私にとってかけがえのないものになりました。なかでも痛感したのが、大山先生の「あなたたちは言葉をぞんざいに扱いすぎている。」という言葉です。

日本語に関して真っ白な学習者に対して、彼らの視線に合わせたものの見方をすることの大切さ、やり方に関して、深く考えさせられましたし、今もなおそれについては模索中です。

課程を修了し、さまざまなことが思い出されます。しかし、まだまだ日本語教育に関しては、一歩目を踏み出したばかりです。この課程で経験したことを活かせるように、感謝の念を忘れず、日々地道な努力に励みたいと思っております。

[CERTIFICATE 課程 通信教育コース] 林 惠美子

何かを教えることに魅せられた今

自分の生活を大きく変えずに日本語教師養成課程を受講できる通信コースは、私にとってかなり魅力的なものでした。ただ、一人で最後までやり通せるのかな?という不安を抱いていたのも事実です。

ユニット1では、先生方の助言をたよりにコツコツ課題に取り組みましたが、やはり孤独な戦いが強いられました。そしてユニット2、待ちに待った教育実習です。

このために頑張って来たと言っても過言ではありません。スクーリングでクラスメートに会い、そこで目標を同じくする仲間と一緒に学べたことは、何にもましてすばらしい経験でした。

無事に実習を終え、こう思います。一年前と比べ、私は確実に変化している。言葉にならない思いを抱いていると。おそらく日本語教師への道は、それほど易しいものではないでしょう。

しかし日本語の魅力を知り(ほんの入り口にすぎませんが)、何かを教えることに魅せられた今となっては、もうそれから目をそらす訳にはいきません。

いつか教師として教壇に立てる日が来るのを待ちながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。

[CERTIFICATE 課程 土曜コース] 広田 操

他の学校に行きながら、週末は日本語教師の勉強

土曜日のみのコースということで始まったばかりだと思っていたのですが、とうとう卒業式を迎える時となりました。

教育実習が始まってからは、それまでも平日、他の学校に行きながら、週末は日本語教師の勉強にあて、忙しいと思っていましたが、比べものにならないくらいの忙しさになりました。実際授業を行うということが思っていた以上に難しく、準備にも時間がかかるものだと実感しました。同じグループの友達とは遠方からいらしているので出来る限り時間を作り一緒に取り組めた事に大変感謝しています。一人では出なかった考えもたくさんありました。

今回二つのコースに参加して今となっては大変だったの一言ですがよい勉強をさせて頂きました。この先の将来に役立てていきたいと思います。

[CERTIFICATE 課程 土曜コース] 椎橋 美穂

力を合わせた同期生との関わりはとても大切な宝物

私は、Certificate土曜コースを受講し、コース終了を間近に控えております。

コースの講義内容はどれも興味深く、それらを勉強出来たことをとても有難く思っております。ただ、学びを修めるのに恵まれた環境で勉強出来るフルタイムの学生としてコースに臨めましたら、学ぶ者としてどんなにか楽しかったかも知れません。

家庭の事情や生活の中でのいろいろな形での周りの方々との社交にかかる時間も大切にしたく、その為土曜コースを受講しましたが、勉強内容にやりがいが有る分、勉強時間の獲得は、あいにく私の場合結果的にコースを通して大きな課題となってしまいました。

大変な一面もありましたが、いろいろな教科の様々なタイプの諸先生方との出会いとふれ合い、そして一緒に励まし合い、力を合わせた同期生との関わりはとても大切な宝物と思っております。

これからも、学んだ事柄の更なる理解と勉強を先生方が夫々に提示して下さった参考文献等を通して、深めて参りたいと考えております。

[CERTIFICATE 課程 昼間コース] 明山 優希

ロンドン― 違った考え方・文化に触れ、自分自身も成長できる最高の環境

渡英前、友人にきまってこう尋ねられました。
「なぜ、日本語教師になるために、わざわざイギリスに行く必要があるの?日本でも勉強できるじゃない?」

私自身、貯金を使ってまで物価の高いロンドンで留学する価値はあるのかと、随分迷いました。
が、今、私の選択は正しかったと胸を張って友人に言えます。お金には代えられない貴重な体験をロンドンですることができ、想像以上に充実した楽しい日々を送っているからです。

入学当初はさすがに異国の地でスムーズに生活ができるか、厳しい勉強についていけるかと不安はありましたが、実際に外国で生徒の立場で学習することは、これから日本語教師を目指す者にとってとても貴重な経験だと思います。

IIELの先生方は内面的にも素晴らしい方ばかりで、授業も分かりやすく、丁寧です。特にチューターの先生は親身になって生活全般のことにも相談にのって下さいます。おかげで私は何の不安もなく、これまで過ごすことができました。

ロンドンは色々な国の人がいて、それぞれに違った考え方、文化に触れることができ、自分自身も成長できる最高の環境だと思います。チャールトンハウスで学んだことを、これから自分なりに生かしていきたいと思います。できれば、大好きなここ、イギリスで。

[CERTIFICATE 課程 昼間コース] 髙田 亜矢

「教える」という観点から学ぶ、その難しさに唖然

私がIIELのCertificateコースを受講して1ヶ月が経ちます。毎回授業で出てくることはどれも聞きなれた日本語に関することなのですが、いざそれを第三者に「教える」という観点から学ぶと、その難しさに唖然とします。と同時に、日本語の良さを実感することも多く、将来の職業として日本語教師を選んだことは間違いではなかったと思っています。

昨年4月に渡英してから今日まで生活してきた中で、最も貴重で有意義だと思うのは、多種多様な文化を体感していることです。イギリスは多民族国家、バスに乗っていても、買い物をしていても、いろんな人種の人がいて、さまざまな言語が飛び交っています。最初は戸惑うこともありましたが、日本にいては触れることのできない多様な文化に囲まれた境遇の中で生活することはとても刺激的で、改めて日本の良さを実感することも多々あります。イギリスに来なければ、日本語教師を志すこともなかったかもしれません。

帰国後には、IIELで身につけた日本語教授法だけではなく、私がイギリスで今経験しているすべてのことを活かして、日本に住むまだ見ぬ私の生徒たちに日本語を教えることができれば、と思っています。